
考え、選び取り、
ひとつずつ積み上げていくリノベーション

考え、選び取り、
ひとつずつ積み上げていくリノベーション
「リノベーションして、家をもっと居心地のいい場所にしよう」
夫のそのひとことから始まった自宅のフルリノベーションは、今から5年前のこと。
15年間、大きな不満もなく暮らしていた家だったので、突然の提案でした。とはいえ、ここは建売住宅。床の色や扉のデザインなど好みではないところや、少し使いづらく感じているところもありました。
わが家のLDKは2階にあります。買い物の荷物を持って階段を上がることを考えると、将来的には負担になるかもしれません。そこで、リノベーションをするならLDKを1階へ移したいと考えました。
リノベーションをすることになって、まず始めたのが会社探しです。
プロにお願いするなら、自分では思いつかない、あっと驚くような提案をしてほしい。間取りも内装も、今までの家とは大きく変えてみたい。
そんな希望を持って、ネットでたくさんの施工事例を見ながら、気になったいくつかの会社に相談することにしました。
いいものを見てしまった|FILE
最初に相談へ向かったのは、田園調布にある「FILE」でした。自宅であり、事務所であり、ショールームでもある空間です。数多く見た施工事例の中でも、キッチンや内装の雰囲気が特に好みだった会社でした。
実際に使われているキッチンはすべて造作。計算しつくされた収納や、ビルトインの真空調理器まで設えられています。重厚な浴室も造作でした。選ばれている素材や設備、デザインを見ていると、お任せすれば間違いない。そう思える会社でした。

後日受け取った提案書には、ショールームで目にしたような造作のキッチンや浴室が組み込まれていました。一方、希望していた「和室があった場所へのキッチン移動」は、使いやすいキッチンの実現が難しいとして、位置は元のまま。間取りを大きく変えるというより、設備や内装を上質なものへと刷新する内容でした。
提示された見積額は、あらかじめ伝えていた予算の1.5倍を超えていました。当時の見積もりでは、キッチンは500万円を超え、造作の浴室も数百万円という数字が並びます。予算に合わせるには、一度配置された設備や部材をひとつずつ代替品に変更し、金額を下げることもできるとのことでした。
けれど、最初に見た「よいもの」から少しずつ引いていく。その進め方は、自分たちが思い描いていたものとは少し異なっていました。
大胆な間取りを期待して|須藤剛建築設計事務所
次に相談したのは、須藤剛建築設計事務所です。
目に留まったのは、スキップフロアなどを取り入れ、空間そのものを大きく組み替えた施工事例でした。
せっかくリノベーションをするなら、今までとはまったく違う家にしてみたい。自分たちでは思いつかないような間取りを提案してもらえるのではないかと、自宅の図面を持って相談に行きました。
希望は、LDKを1階へ移すことや、スキップフロアを取り入れること。ところが図面を見てもらうと、柱や構造の問題から、どちらも実現は難しいとのことでした。
そこから別の可能性を探るには、具体的なプランをつくってもらうことになります。当時、その費用は1案につき20万円。また、須藤剛建築設計事務所は設計を専門とする事務所で、施工は別の施工会社に依頼するかたちでした。それまで設計と施工を別々に依頼することを考えたことがなかった私たちには、その進め方も少し複雑に映りました。
希望していた大きな変更が難しいとわかったこともあり、20万円を支払って別のプランを依頼するところまでは進まず、ここでは設計をお願いしないことにしました。
思い描いたものを形にする|SHUKEN Re
最後に相談したのが、SHUKEN Reです。
最初の相談は自宅で行うということで、実際の家を見ながら希望を伝えました。
1階へLDKを移す案は、やはり構造上、柱を取り除くことができず実現は難しいとのこと。一方で、担当者が目を留めたのが、もとのキッチンの上にあった小屋裏収納でした。
私たちの希望によりキッチンは和室に移す。そして、小屋裏収納をなくして天井を高くする。キッチンだった場所には小上がりをつくり、その下を収納にする。ここではそんな案が出てきました。

カウンターの向こうがキッチンでその上が小屋裏収納。
食器棚の奥に小屋裏収納の入口が見える。
そのほかにも、家の中を見ながら「ここはこんなふうにできますか?」と尋ねると、「それはできます」「これもできそうです」と、その場でひとつずつ確認することができました。
次の打ち合わせでは、キッチンの移動と小上がりを取り入れた図面が提案されました。ただ、キッチンの間取りは思い描いていたものとはだいぶ違い、最終的には自分で間取りを描いて相談することになります。このあたりは、前の記事でも書いた通りです。
最初に期待していた「斬新なプランを提案してもらう」というより、こちらから細かく希望を伝え、それを形にしてもらう。そんな進め方ができそうでした。
また、SHUKEN Reには造作家具を製作する自社工場があります。家具をできるだけ置かず、収納やカウンターなどを造り付けにしたかった私たちにとって、造作の部分までまとめて相談できることも魅力でした。
こうして、わが家のリノベーションをSHUKEN Reにお願いすることにしました。
