
以前ご紹介した、焦げグセがついたフライパンの「再生作業」をしたのは2015年頃のこと。当時は思い切って表面を磨き直し、1から使い始めました。

その後、この記事を最初に書いた2017年からさらに年月が経ちましたが、大掛かりな再生作業は一度もしていません。日々の簡単なお手入れだけで、今も変わらず気持ちよく使えています。
鉄のフライパンを使うようになってかれこれ25年。使い続けることでわかったことを踏まえて、改めて鉄のフライパンの日々の扱いについてリライトしてみます。
洗剤で洗っても大丈夫
「鉄のフライパンは、洗剤で洗ってはいけない。」という説明をよく見かけます。理由として語られるのは、使い込むことで表面に育つ「油膜」を守るため。確かに、そのイメージは理解できます。
けれど、こびりつきは蓄積した汚れが原因だと知ったため、わたしは必要に応じて普通に洗剤を使っています。それでも特に問題なく使い続けられています。

鉄の表面には、加熱によって形成される酸化皮膜や、使い込むことで安定した油膜があるとされています。そうした層は、普段の洗剤で簡単に失われるものではないようです。愛用している「成田さんのフライパン」の作り手の成田理俊さんも、洗剤で洗っていいと話されていました。
少し焦げつきが気になってきたときは、フライパンの表面に汚れが残りざらついていることが多いので、クレンザーで磨いてしまう。その後は念入りに油ならしをすれば、いつも通りに使うことができます。

調理前にしていること
わたしが毎回欠かさずに行っているのは、油をひく前にしっかり熱することです。目安はうっすらと煙が上がるくらい。こうすると「酸化皮膜」が安定し、こびりつきの防止になるといわれます。
ガスコンロでは熱の当たり方に偏りが出るので、フライパンを動かしながらまんべんなく火に当てるのがポイント。こうしないと、加熱が不十分なところだけこびりついてしまいます。
その後、油をひいて弱火でなじませます。
ここまでの作業で、基本的には準備完了。わたしもずっとこの方法で調理を始めていました。
けれど、最近はここにもう一つ、「冷ます」という工程を加えるようになりました。
油をならしたら火を止めて、フライパンの底を手で触れるくらいまで十分に冷まします。
こうすることで、よりこびりつきにくくなる。フライパンが冷める頃には、油の粘度が上がってとろりとした状態になっているので、より油がフライパンに馴染んでいるようにも見えます。はっきりとした理由はわからないままだけれど、この手順を踏むようになってから、こびりつきで悩むことがほとんどなくなりました。それで十分だと思っています。
この後、わたしは一旦油を拭き取って、新しい油をひいて使うようにしています。
高温で熱した油は酸化が進んでいるかもしれない、と考えているからです。

使用後のお手入れ
使い終わったら、必要に応じて洗剤も使ってごしごし汚れを落とします。もしもこびりついた汚れがある場合は、水を張ってしばらく加熱すれば、汚れが浮いて落としやすくなります。
最後に軽く火にかけて水気を飛ばせば完了です。
長期間使わないのでなければ、わたしは油を塗って保管することもありません。
長年、試しながらたどり着いた方法
鉄のフライパンについて調べていると、さまざまな説明に出会います。中には長年語り継がれているけれど、科学的な根拠がはっきりしないものも。
だからわたしは、「正解」を探すよりも、実際に色々試してみる。
25年かけてたどり着いた方法は、大げさでもなく、特別でもない。ただ、自分の手に馴染んでいるのです。
